Char 独占ロング・インタビュー at イシバシ梅田店

Char 独占ロング・インタビュー at イシバシ梅田店

ただ今真っ只中の「Char Tour 2019 Mustang Since 1964」! プロモーションの為、来阪していたChar氏が急遽、梅田店に来店されました! ナント、その際にChar氏にインタビューをさせていただくことが出来ました! シグネチャーモデルの事や、自身の音楽感、そして千秋楽の大阪公演の事をガッツリと語っています。

インタビュー:楢原 秀樹(イシバシ楽器心斎橋店)

楢原(以下N):本日はよろしくお願い致します!本日は新しいムスタングの事やCharさんの音楽、機材についてや、今度のツアーの件もお願いします。

N:散々言われてるかと思うんですけど、気になる所が2点ございまして!

Char(以下C):あー、アームユニットね。

N:あっ、はい、やっぱり精度優先ってことですかね?

C:うーん、まぁ単純にくっつけてみたらどうかなって? っていうのがあって、これ、ミディアムの短いネックだから、とりあえずプロトで試してみないとわかんないなってのはある。ムスタングのユニットってチューニング狂いやすいじゃない、だから、ストラトじゃなくても、1から開発してもいいかなとは思っていたんだけど、取り敢えずそれブっ込んでみたら、入ったから、、、、と、やっぱりコレ(ピックアップセレクター)。

N:フェイズアウトサウンドって使いますか?

C:使わないよね? 偶然そこになっちゃうことある。意外とストロークしてると当たって、で、内内[*1]になると止まっちゃうじゃん、音。未だにビックリするよ、あれ。あれっ、音出ねぇぞって(笑)あっ。ココだっ!て。

N:では基本的に前のムスタングの時はミックスなんですか?

C:そうだね、基本的にはミックスだね。

N:では、両方ピックアップがなってるってことですね。

C:なってる、なってる。

C:とにかく俺、全くスペック弱いんで、専門的なことあんまり言わないで(笑)

N:アンプはもうマッチレスが長いですが、何か気に入っているところは?

C:そうだね、気がついたらもう20年ぐらいつかってるか? 気に入ってるところはパイロットランプが青だったから!

一同:(笑)

C:普通絶対赤じゃん、俺の友達が持ってたときに“チャー、新しいアンプ使ってみてくんない?”って。それでパチってやったら、青じゃん!「使うっ!」て!!

一同:(笑)

N:アンプ自体はどういうセッティングなのですか? たとえば歪みはコピーキャット[*2]ってうことなんですか?

C:うん、そうね。

N:ということは、コピーキャットを切るとどういう音なんでしょうか?生音は・・

C:あんまり考えたことないけど、だいたいなんでもツマミを一回全部10にするんだよ。そうするとそのアンプの特性がわかるからね。ハイが強いヘッドなのか、もしくはミドルなのか、ロウなのかって。あと10にしてどのくらい歪むのかって。

それと俺はマーシャルだけはわかんない、使ったことないから。要するに、ツマミがいっぱいあるヤツだめなんだよ。

一同:(笑)

C: それとこのムスタングも一番改良したのはココなんだよ(Volつまみ)。いままでのムスタングのボリュームの位置だと手が入んないんだよ。前のムスタングは手がこの辺なんだ。だから、ピックガード長くして、少しボリュームの位置を上げて変えてもらったんだ。

N:トーン自体はいじることはあるのですか?

C:まず、無い。

C:いつもボリュームは「10」でクランチな感じっていうか、そのナチュラルな歪み。「8」でちょっと太いサウンド、「5」ぐらいだとカッティングがシャキシャキ鳴る感じ。

N:ムスタングで“Dm9th”が弾きやすいとか、フレーズで弾きやすいとかありますか?

C:こういうやつ(と言いながらスモーキー!!)

C:いや、狭いから。ストラトなら“Dm9th”だとこのぐらい広がる。なので、この辺のフレットの感じかな。初めてムスタング持った時に、俺9th弾いたつもりだったの。それまでストラトをずっと弾いてて、ムスタングが手元に来て9th弾いたら、なんかマイナーになってるじゃん! でもそれがカッコいいじゃんって思って。俺的には自分で発明したフォーム!

でもルカサー[*3]はこうやってた(難しいフォーム)。

N:独特なメロディーというのは、何か秘訣はありますか?

C:20歳くらいまで、スタジオミュージシャンもやってたし、もう何百人と言うギタリストのフレーズをコピーしてるわけで。まぁ、最も一番コピーしたのが、クリーム時代のクラプトン。もちろんベンチャーズから始まってジミーペイジ、ジェフベックもね。

でもデビューする前くらいって、「ラリーカールトンっぽく弾いてくれない」とか言われて、じゃあレコード貸してくださいみたいな感じで! それでカールトンのフレーズを何個か取ったり、このベースフレーズがカッコいいなって言うものも覚えてて、そういうのが全部ファーストアルバムに出たんだよ。

だから逆に言うと、1枚目っていわゆるハードロックな曲は無くて、外国の友達にいつも言われるのは、“チャーは黒人っぽいけど黒人でもないし、白人っぽいけど白人じゃない“って言われる。で、一番日本人っぽくないって(笑)

N:ライブでギターを交換する時はこの曲にはこのギターと決まっているのですか?

C:基本的にはね。まぁでもギブソンとフェンダーしか俺持ってないけど。

N:今回のツアーで用意されているのはこのNEWムスタングだけでしょうか?

C:うん、昨日もライブだったけど、新しいムスタング1本でやったね。というのも旧ムスタングに無くて、コイツにあるのは、この5弦、6弦かな。よく鳴るんだよ! 旧ムスタングで6弦の開放弦とかやると、高い音でイイ音作っても潰れちゃうの。だから本当にムスタングの良い所とストラトの良い所をちょっと取っている。だから今までだったなら、たとえばムスタングで「スモーキー」演って、ストラトで作ってた曲はストラトでやってたんだけど、割とこれ1本でいけるなって!

N:昔、ゴールドトップのレスポール1本で行ったライブを見たことあるのですが?!

C:あー、あったね、良く覚えてるね!あの山の中で演ったやつ?

N:そうです、神戸の大学で!

C:あれね! 一つ前のライブでムスタングのチューニングの調子が悪くて、マーちゃん[*4]に、もうちょっとまともなギター使えって言われて(笑) それとファーストアルバムの「スモーキー」の真ん中のギターカッティングあるじゃん、あれ良く聞くとギターがもう一本入ってるんだけど、レスポールなんだよ。

N:えー、意外ですね!

C:そう、以前俺はずーっとギブソン弾きだったから、ギブソンのカッティングの太い音も好きなの。それでムスタングで弾いた後、もう一本ダビングしたいなって思って、ギブソンで入れようって。

N:それは、ハムバッカーのレスポールですか?

C:そう、普通の!

N:基本的にはシングルコイル派ですよね?

C:俺そういうのわかんないんだよ。シングルコイルに対しての、ダブルコイルがあんのか? とか、ハムバッキングに対しての全バッキングがあんのか、とか?

一同:(笑)

C:何が違うの?巻き方?

N:後はエフェクターでBOSS CE-1って長く使っているじゃないですか?

C:ん?俺使ってる?そんなの?

N:あっ、コーラスです。

C:あっ、あのデカいやつ。弁当箱みたいな!

N:そうです、そうです、何か気に入っている所があるのですか?

C:あれ、マーちゃんがベースで使ってたやつで凄げ〜! なんていうのかな、ボリュームも付いてるし、歪んでくれるし、きれいにもできるし、やっぱり、初期型のエフェクターはどれもいいよね。

N:何かウォーミングアップ的に練習している様な事はありますか?

C:俺もう家ではアコギしか弾かない。でも、いろいろやるよ! やったこと無いフレーズとか考えて弾いたりとか、指を広げたフォームとか。あと、最近ジョージベンソンなんか聞いてて、アコギでドレミファソラシドよくやってる。それでアコギで弾いた後、エレキを弾くと圧倒的に弾きやすいよね。アコギでもエレキみたいに弾くんだよ、もうマゾなフレーズを!その後エレキ持ったら、もう無敵になる。その逆はつらい。痛て〜ッて!

一同:(笑)

C:それか…、ベース弾いてるな〜。エレキギターなんかめったに弾かない。めったに弾かないってこと、つまんないじゃん、一人でエレキ弾いたって。

一同:(笑)

C:アンプにつないだらうるせーし、なんかしながら弾けないじゃんエレキって。たとえばテレビ見ながらとか。アコギはパっととって弾いてると、なんか今面白いコードできたなって。それをiPhoneでパっと録って、後はコマーシャルぱくったりして。

一同:(笑)

C:でもやっぱり、そういうテレビから出てくる音をパってできる、要するに耳コピだよね。そういうのは、かかさずトレーニングしてる。それに、子供の時からフォークギターにエレキ弦を張ってクリームとか弾いてたからね。ハイフレットの所は多分勘でやってた。それでエレキ持った時に初めて、「あ〜合ってたな」って感じ。

それと昔のバンドって必ずアコギの良い曲があるよね。レッド・ツェッペリンのジミー・ペイジなんか特に凄いじゃん! それと、キングクリムゾンとかもね! プログレも聞いてたし、元々クラシックもやってたからね。中学3年暇だったから。

一同:(笑)

C:けど、弾き方は何が正しいかわからない。

一同:(笑)

C:今の時代だったらYouTubeだったり、何だったりで良いんだけど、みんな同じになっちゃう。

N:今回のツアーってもう、構想はできあがっているのですか?

C:全然。なんも考えてない!

一同:(笑)

C:なんも考えてないっていうのもあれだけど、ドラマーが代わるんで、だからちょっと、違うメニューにしようかなって。

N:新しい曲とかは?

C:まぁ、レコードにしないだけでそういうのもいっぱい作ってんだけど。

N:アコースティック構成はありますか?

C:今回はたぶん無くなると思う。こうドーンとPSYCHEDELIX[*5]的なロックで行こうかなって。もしくはJLC[*6]的な!でもキョンが入るから、自分の曲だけども新しいアレンジでできる曲もあるからなぁって。

N:今回のフェスティバルホールのような大きな会場でも、お客さんの顔とか、ノリは見えてたりするのですか?

C:うーん、デカけりゃデカいほどつまらないよね。やっぱり、ライブハウスみたいに近い距離のほうがね…。ロックってあまりデカい所でやるもんじゃないかもな。だから、フェスティバルホールまでぐらいじゃないかな。野球場だとかサッカー場とかでは、みんなビジョン見てるだけで、なんかつまらないよね。

やっぱり、自分の生音が聞けて、出音も返ってくるぐらいが良くてフェスティバルホールぐらいが限界かな?武道館なんてステージ前にフェンスのスペース結構取ってるから、まったく客見えないからね。そんで、俺に照明当たったら、なんかもう一人でやってるみたい。

一同:(笑)

C:終わったらなんかいっぱい人いるなーって感じするけど、誰かに向けてやってる感じがしないよね。やっぱ、イイ女が一人居たらそいつに向けてやりたいじゃん。

一同:(笑)

C:それが何百人だろうと、何万人だろうと、それがロックの基本でしょ!

N:最後にツアーの見所とかあればお願いします。

C:ん〜〜、見てのお楽しみだね。

一同:(笑)

C:見所っていってもねぁ、、、まぁでも大阪はツアーの最終日だから、そういう意味では、新しいメンバーとはいえ、かなりいい感じであったまってきてると思うよ。

N:長い時間ありがとうございました!

協力:キョードー大阪

[*1] ムスタングのPUスイッチがリア、フロント共にセンターポジションになりOFF状態になる意味
[*2]テープ式エコーマシン。プリアンプ代りとして使用するアーティストも多い。
[*3]TOTOのギタリスト、スティーブ・ルカサー。
[*4]ルイズルイス加部。ジョニー、ルイス&チャー(ピンククラウド)のベーシスト。“マーちゃん”は愛称。
[*5]サイケデリックス。90年代にCharを中心に結成されたバンド。
[*6]ジョニー、ルイス&チャーの略。バンドは1994年に解散。

Char Tour 2019 Mustang Since 1964:大阪公演

2019年12月28日(土)
15:30 open / 16:30 start
会場:フェスティバルホール
料金:料金: ¥7,800 (全席指定)

キョードーインフォメーション 0570-200-888

プレイガイド:
チケットぴあ 0570-02-9999(Pコード 160-049)
ローソンチケット 0570-08-4005(Lコード 55946)
イープラス

詳細は:
Char Information:ZICCA RECORDS